それはコンピュータの要件を満たすのか?【コンピュータの5大装置】

コンピュータの5大装置


わたしたちがいつも利用するパソコンから最先端技術の結晶であるスーパーコンピュータに至るまで、コンピュータの種類は実にさまざまです。そこから更に多種多様な製品や成果が今なお生まれ続けています。

しかし、無数にあるコンピュータにも共通するしくみがあります。コンピュータに限らず何かのしくみについて知ろうとする際に構えてしまう方もみえると思いますが、とてもシンプルなしくみですから心配する必要はありません。

この記事では、コンピュータを構成する要素であるコンピュータの5大装置について詳しく解説していきます。

コンピュータの「たった」5つの機能


2020年代初頭において、実用化されているほぼ全てのコンピュータは5つの機能から成り立っています。細かな構造は複雑かもしれませんが、しくみそれ自体はいたってシンプルです。

以下にパソコンを例にとって、コンピュータの機能をおおまかに挙げていきます。

入力
マウスのクリックやキーボードのタイプなどユーザからの入力を受け付ける

記憶
入力されたデータを一時的に留めておいたり長期的に保管したりする

演算
記憶されたデータをプログラムによって加工したり組み替えたりする

制御
プログラムを細かく分けて電気信号に変換し各装置に適宜指示を送る

出力
ディスプレイによる表示やプリンタの印刷によってユーザに処理結果を伝える


複雑で多様な仕事をこなすコンピュータも大きく分けてしまえばたった5つの機能しか持っていないのです。

コンピュータの5大装置とは?


先に挙げた5つの機能それぞれを、キーボードやメモリ、CPU、ディスプレイなどが担っていますが、この機能区分こそがコンピュータの5大装置というわけです(これはコンピュータが満たすべき要件でもありますから「コンピュータの5大要素」ともいいます)。

ここからは、それぞれの装置について詳しく説明していきます。

入力装置:コンピュータの「データの受付窓口」


クリックやキータッチ、タップやフリックなどといったユーザの操作から入力を受け付けたり、バーコードや画像をスキャンしてコンピュータの外部からデータを取り込んだりする装置をまとめて入力装置といいます。

マウスキーボード、タッチパネル、バーコードリーダやスキャナなどが具体的な例です。

マウス
図1:マウス


キーボード
図2:キーボード


入力装置から送られるデータは、電気信号として記憶装置(メモリ)に一旦格納されます。その電気信号に異常がない場合にようやく演算装置(CPU)へ送られるわけです。

記憶装置:データを留めておく「人間とコンピュータの中継点」


記憶装置とは、入力装置から読み込まれたデータを一時的に留めておいたり、長期的に保管しておくための装置です。

一時的にデータを記憶するものとしては、主にメモリが挙げられます。メモリは入力装置から送られたデータを電気信号として一時的に格納します。

RAM
図3:メモリ


ただし、入力装置だけからデータが来るわけではありません。ハードディスクという大容量の記憶装置からプログラムを読み出し必要に応じてCPUとやり取りする、これもメモリの重要な役割のひとつです。このことから、メモリは人間とコンピュータの中継地点だといえます。

一方、データを長期的に保管する記憶装置はハードディスクSSDです。テキストや画像、音楽や動画といったメディア、そしてアプリケーションやOSといったプログラムはここに保管されます。

HDD
図4:ハードディスク(HDD)


SSD
図5:SSD



演算装置:データを処理する「コンピュータの核」


演算装置とは、メモリに展開されているデータやプログラムを実際に加工・処理するための装置です。実際のコンピュータにおいてはALU(Arithmetic Logic Unit:算術論理演算装置)がそれにあたります。

演算は大きく分けて論理演算算術演算に分けられます。名称こそ難しくみえますが、その実態はとてもシンプルです。

ここでは触れませんが、少なくともわたしたちが小学生の頃からなじみのある10進数の四則演算(たし算、ひき算、かけ算、わり算)より遥かに単純だといえます。

制御装置:それぞれの装置に指令を下す「コンピュータの司令塔」


制御装置とは、メモリからプログラムを小分けにして取り出し、解読ののち電気信号によって各装置に対して指示を与える装置です。実際のコンピュータにおいてはデコーダ(解読器)などがそれにあたります。

つまり、ここでようやくデータやプログラムがコンピュータにも扱うことができるようになるわけです。制御装置からの指令は演算装置や各種レジスタ(CPU内にある小さな記憶領域)、マウスやキーボード、ディスプレイに適宜送られます。

そして、演算装置と制御装置は実際のコンピュータでいうところのCPUです。データを処理しプログラムに応じてそれぞれの装置に指令を下す、コンピュータの5大装置の中で最も重要な役割を担います。

CPU
図6:CPU



出力装置:コンピュータの「仕事」を人間に伝える


出力装置とは、CPUで処理された結果をユーザである人間に伝えるための装置です。演算の結果はメモリを介して出力されます。それを画面に表示するのがディスプレイで、紙に印刷するのがプリンタなのです。

ディスプレイ
図7:ディスプレイ


プリンタ
図8:プリンタ


処理結果はテキストや画像、音声などで人間に伝えられます。打ち込まれた文章、撮影されたペットの写真、ゲームの勝敗、世界中で起きている出来事、プログラムの不具合、などなど………

これでようやくコンピュータの「仕事」を人間が認識できるようになりました。

これらは、次の入力、次の処理、次の出力……という具合に同じようなサイクルをきめ細かく高速に繰り返すことで実現されているのです。

CPUだけでは「コンピュータ」とはいえない?


コンピュータの5大装置において、演算装置と制御装置はまとめてコンピュータの頭脳だといえます。この部分こそがCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)にあたる部分だからです。

極端な話、「CPU=コンピュータ」だと言ってしまうこともできます。そもそもこれがないとコンピュータとして機能しません。CPUがないとデータやプログラムを処理することができないからです。

しかし、CPUだけでもコンピュータとして利用することはできません。CPUは電気信号しか扱えないからです。

わたしたち人間は電気信号を解読できないため、CPUによる仕事の成果を人間が認識するには他の装置が必要になります。それがマウスやキーボード(入力装置)、メモリやハードディスク(記憶装置)、ディスプレイやプリンタ(出力装置)というわけです。

すべてが「コンピュータの要件」を満たす


パソコンやスマートフォンはもちろんのこと、じつは洗濯機炊飯器も、水道メーター自動販売機も、おおよそすべての機械はコンピュータだといえます。

スマートフォンの中にもメモリやCPUが内蔵されていますし、入力装置と出力装置をパネルで一体にすることでコンパクトな形状を実現しているわけです。

スマートフォン


そして、家電についてもコンピュータの5つの機能を当てはめることができます。たとえば洗濯機については以下の通りです。

洗濯機


入力装置
起動ボタンや設定ボタンなど、各種スイッチ

記憶装置
・ボタンからの指示を記憶するメモリ
・設定を保持するROM(メモリの一種)

演算装置/制御装置
メモリからの指示を解読して洗濯機の各種機能を起動させるCPU(マイクロコンピュータ)

出力装置
洗濯の進行状況(あと何分で終わるか、洗濯が完了したかなど)を表示するパネル


………このように、家電も5つの装置から成り立っていることがわかります。

ほかの家電についても大方同じですから、時間があるときにでも当てはめてみるといいでしょう。これだけでもコンピュータについての知識に磨きがかかると思います。


余談:後戻りできないからこそ学ぶ


身の回りの家電にコンピュータの5大装置の考え方を当てはめてみると、わたしたちがいかにコンピュータに囲まれているかがよく理解できるはずです。余程のことがない限り、身の回りからコンピュータの姿が消えるということは起こり得ません。

もやは時代が逆行することはあり得ないでしょう。

コンピュータはわたしたちにとって必要不可欠な存在であり、それらの知識もまた必要なものです。パソコンの利用が当たり前となり、スマートフォンが普及し、人工知能の「社会進出」するこれからの時代は尚のことITリテラシーが求められるのです。





それでは、今回はここまでといたします。
最後までお読みいただきありがとうございます。


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